第12回「The Crusade !!(後編)」

第12回「The Crusade !!(後編)」
さて、発売して約1ヶ月が経過しようとしているTRIVIUMの最新作“The Crusade”ですが、皆さん何回くらい聴きましたか?
僕はCDがすり切れるまで聴きました。替えの2枚目を買わないと。(笑)
冗談はさておき、日本でもTRIVIUMの人気は確実に上がってきています!
それを証明する日本のチャート結果!
オリコン初登場46位、洋楽アルバムチャートだと、なんと15位!だそうです!
メタルの人気が薄い日本で、この結果は大成果と言えるでしょう!
もちろん各国では日本以上の結果を叩き出しています!
本国アメリカではビルボード・チャート初登場25位!
熱狂的な支持を誇るUKではなんと7位を記録し、ロック・チャートでは堂々の1位!わずか1週間で6万枚を売上げ、既にシルバー・ディスクを獲得してます! 
ドイツで23位、
カナダで23位、
アイルランドで12位、
オーストラリアで14位と大奮闘!
良いですね~、確実にTRIVIUM旋風は世界を包み始めました!
なんせ今回のアルバムは本当に素晴らしいですからね~。全ての面において前作より数段レベル・アップしています。
で、特筆すべきはベーシストのミスター・パオロ・グレゴリート!
ここですよ!とにかくパオロの活躍がめざましい!
正直、前作”Ascendancy”におけるPaoloは・・・確実にバンドのボトムを支え続けるだけで、どちらかと言うと堅実にプレイするタイプのベーシストでありました。
要するにシンプルなフレーズの多いベースを弾いていたワケですね。
まぁ楽曲のタイプによってベースのフレーズをシンプル系にするか、グルーヴィ系にするか、どちらがふさわしいか・・・っていうのもあると思うんですが。
“Ascendancy”は”The Crusade”に比べて、確実に「ハードコア度」の強い作品だから、ベースはシンプルで基本的なルート弾きの方が嫌味がなかったのかも知れません。
“Ascendancy”に収録されている楽曲のタイプは、”The Crusade”で聴けるパオロの優れた実力を期せずして封印してしまうような形になってたのかも。
Paolo Gregoletteしかし、まさにヘヴィ・メタル!という作風になった今回の”The Crusade”では解き放たれたかのようにPaoloの実力、センスが輝きまくってます!
ピック弾きから指弾きになり、その音質は音のカドが取れて、やや丸みを帯びたベース・サウンドになり、低音域がさらに増しました。
Matt&Coreyのギター・サウンドとの相性も抜群な音質です。ベースとギターの音が良い具合に分離されています。
そんな音質でグイグイとウネるように弾くんだから、イヤでも楽曲の中で活躍するパオロの存在感を無視する事は出来ません。
“Anthem(We Are The Fire)”のBメロのベース・プレイが僕のお気に入りです。(笑)
あと、”Ignition”のMattのギター・ソロの後半部分(CD time 2:18~)でのPaoloはスゴいですね!Mr.BIGのBilly SheehanとPaul Gilbertみたいなユニゾン・ソロっぽくなってます。
その他、全体的に見渡してもPaoloのグルーヴィなフレーズは随所で目立っていますネ!
“Becoming The Dragon”や”Broken One”にベース・ソロを組み込んでいるのが、上記までのパオロの活躍を代表する事件(?)です。
指弾きになってからのPaoloは一味違うゼ!(笑)
またTravisとPaoloのリズム隊のコンビネーションが最高!こんなリズム隊をバックにギターを弾けるMattとCoreyはメタル界の幸せ者と言えるでしょう!(笑)
もちろんPaoloの活躍がめざましいだけではありません”The Crusade”!
Paolo GregoletteギターをDeanに持ち替えたMatt&Coreyの2人のギター・サウンドのキレはより一層鋭さを増しました!
ザックリザックリとブッ太い丸太を一撃で切断するかの如き、重く鋭い鉈のようなサウンド!
斧よりも重く、カミソリよりも鋭い・・・と、でも形容しましょうか。まさにそんな感じの非常に気持ち良い、気味の良いサウンドなのです!
ギターの見た目も鋭いしネ!ウマい具合に見た目がそのまま音にも反映されてますね!(笑)
Les-Paulを弾く姿以外のMattは想像もつきませんでしたが、今はもうRazorbackを弾く姿以外のMattは想像もつきません!(笑)
今回は両ギタリスト共、弾きまくりだし!”Ascendancy”では、ギター・キッズが狂喜乱舞するようなスッゴいテクニカルな速弾きはCoreyが担当してるような感じで、Mattはメロディに重きを置いたギター・ソロを弾いていましたが、今回はMattの指もCoreyの指も、目にも止まらぬ速さでギターの指板の上を駆け巡っています!(笑)
蜘蛛の足より速い指の動き、まさにスパイダー・フィンガーです!
“The Crusade”のリフに関してのテクニック、コピー難易度は”Ascendancy”よりも低いかも知れません。
今作は”Ascendancy”の随所で聴ける、僕を腰抜けしたあの「高速オルタネイト・ピッキング・リフ」の登場回数が少ないのです。
とは言え、”Ignition”の最初のサビの後(CD time 1:50~)で聴けるリフは”Ascendancy”に入ってるどの曲のリフよりもヤバいし。(唯一匹敵するリフは”Suffocating Sight”のリフか!・笑)
Travisも相変わらずヤバい!手数、足数がハンパじゃないです。そしてドラム・フィルの構築センスの良さ!
Travisのハイパー・テクニカルなドラミングが、TRIVIUMの楽曲を聴く者に対してのテンションを盛り上げて、引っ張り上げているように思います。
特に大迫力なドラム・フィルが”Entrance Of The Conflagration”の中間部の所!(CD time 1:41~)
ハイ・タム~ロー・タムに激しく流れて行くかのような凄まじい連打は圧倒されます。パンニングのステレオ感がスゴい迫力を生み出してます!
(※ドラムのパンニングはハイ・タムになればなる程、音が右寄りに、ロー・タムになればなる程、音が左寄りになるように設定するのがレコーディング・ミキシングの基本です。)
きめ細かに、繊細に、正確に踏みまくるキック・ドラムの精密さと激しさは、Travisがメタル界随一のドラムの実力を持っている事を思い知らされます。
やっぱ、バスドラの連打が出てくる音楽ジャンルってメタルだけですもんね。(笑)
・・・色々と書きましたが、これらの事を実行している人間達が、まだ平均年齢22,3歳の連中だって事を加えて考えてみて下さい。
バンドマンの皆さん、これからは若いからと言って「まだテクニックが青いな」とか「演奏が下手だな」とか「楽曲のアレンジが甘いな」とかいう考えは通用しなくなりますよ!(笑)
TRIVIUMはその若さで全てが最高水準の音楽を展開してるんですから!

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする

%d人のブロガーが「いいね」をつけました。