第13回「The Crusade !!(番外編)」

第13回「The Crusade !!(番外編)」
CDの音楽っていうのは”音”だけであって、”映像”はないモノなのですが、その音楽・曲を聴いてその人なりに頭の中で何となくイメージしてしまう”映像”っていうのがあると思います。
色とか、物とか、人物とか・・・その音楽と出会った時の思い出とかも思い出したりしますよね。
その音楽の収録されてるCDのジャケットや、PVなどの影響も大きかったりしますが・・・
例えば僕の場合だと、METALLICAの”Master Of Puppets”を聴くと、何となく朱色?セピア色?みたいなイメージを持って、高校生の頃のこの曲と出会った時の大きな衝撃を思い出します。
IRON MAIDENの”The Trooper”を聴くと、1900年代の古い外国の兵隊さん達が銃剣を持ってとにかく走りまくってる映像が思い浮かばれます。
PANTERAの”Cowboys From Hell”を聴くと、黒い革ジャンを着た長髪の男達が、狭い・暗いLIVE HOUSEで暴れまくってる映像が思い浮かびます。
まぁ人それぞれのイメージがあると思いますが・・・
そういった映像は歌詞を理解してる事でまた深くイメージされます。
僕の個人的な感想ではありますが、TRIVIUMの歌詞の世界観は、”Ember To Inferno”、”Ascendancy”の頃は現実離れした世界の話し、非常にネガティヴな登場人物の話し・・・そんなイメージです。
アルバムの楽曲の彷彿とさせるイメージとうまく合わさっています。いずれのアルバムも僕は何故か”秋”を思い出してしまいます。
で、”The Crusade”ですが、それまでの2枚のアルバムとは違って、もっと現実的な時事的な事を歌詞に挙げているように思います。
ネガティヴな感じは一緒ですが、歌詞の世界観は大きく変わったように思います。
この”音楽を聴いてイメージしてしまう映像”っていうのは、その楽曲、歌詞が上手く混ざり合い、優れている曲ほど鮮明に見えるモノだと思います。
“The Crusade”に収録されている楽曲はいずれも僕にスゴい鮮明なイメージを与えてくれました。
“Ignition”はイントロのインパクト大!のリフを聴いた瞬間、鮮明な青と赤を思い出しました。
そしてスゴい勢いの風が吹き荒れながら全てを吹き飛ばしていくようなイメージが。
サビでは一転して曇りが晴れて日の光が徐々に姿を現すような壮大なイメージ。
でもドコか淋しいようなイメージ。
“Detonation”は灰色をイメージしてしまいます。
で、戦闘機の爆撃シーンが思い浮かばれます。
“De!to!na・・・tiooon!”と叫ぶパートではまさに大爆発が!
速いパート、クレイジーな速弾きソロ・パートでは大火災の中を逃げまどう人々が!
その後のメロディ・パートに入ると、爆撃され何も残らなかった焼け野原に風が淋しく吹いているイメージが・・・
そこまでのドラマ性を激しくイメージしました。歌詞の影響も大きいです。
曲調と歌詞が見事にマッチした素晴らしい楽曲である事を再認識しました!
“Entrance Of The Conflagration”では何故か古びた井戸と、薄暗い地下室みたいなモノをイメージしてしまいます。
曲調はテンションの高いメタル・チューンで、全然そんな事をイメージさせるものではないのですが、何故かイメージしてしまいます。
歌詞の影響かも知れません。
“Anthem(We Are The Fire)”は文字通り燃え上がる炎をイメージさせます!
TRIVIUMの事を歌っていると思われる内容の歌詞がこの曲のイメージを更に硬派なモノにしています。
この曲も’80sメタルの空気と歌詞の内容がカッコ良くマッチしていて最高です!
“Unrepentant”はかなり現実的な歌詞ですね。
実際に世の中で起きている事件を元に書かれた歌詞ではないかと思います。
この曲の鋭い切れ味のメタル・リフが、この歌詞の登場人物の持つ刃をイメージさせ、この曲のシリアスさをより感じさせてくれます。
“And Sadness Will Sear”は個人的には”The Crusade”のアルバムの中で最もイメージを掻き立ててくれた楽曲です!
こういうエモーショナルな楽曲の方がイメージを思い浮かべやすいのかも知れませんね。
マイナー調のリフと、この曲の全編を覆い尽くす寂しげなメロディがより一層イメージを掻き立てます。
北欧の方の映像がイメージされました。とにかく雪?とか吹雪?とかをイメージします。
歌詞もそういった寒い地方の話しっぽいですが、僕は歌詞は読まずとも、そういう寒い季節、地方のイメージを思い浮かべました。
“Becoming The Dragon”は非常に分かりやすいドラマ性を持った曲ですね!
屈強で力強いヘヴィ・メタルの楽曲がこの歌詞に登場するドラゴンの逞しさや、頼もしさ、力強さをうまく表現しています。
当然、鯉が滝を登り、竜に変わっていく様をイメージします。
“To The Rats”はパンキッシュな内容の歌詞と、勢いのある楽曲がマッチしてますね!
くそったれ!ざまぁみやがれ!って気分になります!(笑)
赤いモヒカンと鋲打ち革ジャンをイメージします!(笑)
“This World Can’t Tear Us Apart”は全ての恋人達に捧げるヘヴィ・バラードですな!(笑)
恋人達の2人だけの世界を歌った、非常に背中の痒くなるような内容の歌詞です。(笑)
でも名曲ですね!非常に良いメロディがたまりません。ハートと星空をイメージします。(笑)
“Tread The Floods”は今や世界レベルのバンドとなったTRIVIUM、Mattの苦悩を描いているように思います。
世界レベルで売れてるバンドの、前作よりももっと優れた作品を作らなければならない!というプレッシャーはやはりスゴい物なのでしょうか?
本当の所はどうなのか分かりませんが、僕は歌詞を見てそんなイメージを持ちました。
この楽曲自体はそんなプレッシャーを感じているようには全く思えないくらいの素晴らしいメタル・チューンですがね!(笑)
“Contempt Breeds Contamination”はドロドロしたこの世の不正のドス黒い感じをイメージしました。
歌詞の内容は理不尽な出来事や体制に対してのイラ立ちを代弁してくれているみたいで非常に気味が良い。
7弦ギターの重たい音がイメージを掻き立てます。
“The Rising”は個人的には”The Crusade”の中で1番地味な印象の残る楽曲ではありましたが、この曲の歌詞が持つパワーは素晴らしいものがあります。
サビのボーカル・メロディと歌詞のマッチングは”Anthem”のギター・ソロ後のシンガロング・パートに匹敵するぐらいのパワーがあるのでは!
バンドとオーディエンスの一体感が感じられる内容です。
LIVEで盛り上がっているTRVIUMとオーディエンスがイメージされます。
“The Crusade”では僕は黄金をイメージしました。金色です。
コロコロ変わる曲調と、繊細なリフと、こまめに弾きまくってるギター・ソロがピカピカ光っているように見えたのでしょうか?(笑)
何故か金色をイメージさせます。
“Broken One”はポジティヴな歌詞ですね。
どんな事があっても絶対何とかなる!って気持ちがあればどーにでもなるような気がしてきます。
元気の良い曲調もテンションを上げてくれますね。
という風に、どの曲も僕に鮮明なイメージを与え、映像を見せてくれます。
楽曲的にもそうですが、歌詞の面においても非常に優れているという事ですね。
楽曲のタイプと歌詞のタイプのマッチングが、より”The Crusade”の作品のレベルの高さを上げているんだと思います!
全ての面でパワー・アップした”The Crusade”!皆さんも単に曲のカッコ良さだけではなく、歌詞の面における違った視点で曲を聴いてみてはいかがでしょうか?
“The Crusade”の素晴らしさが再確認出来るハズです!

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